ブロニカ開発秘話       

吉野善三郎


創業者の吉野善三郎は東京都板橋区東新町に新光堂製作所を創立しガスライター、シガレットケース、コンパクト等を製造販売して資金を貯め、

夢だったカメラ製造に向けて1952年(昭和27年)1月17日からカメラの研究に着手した。

当初は設計専任としてA氏だけが従事していた.それに加え元ニッカの技師であるN氏,それに善三郎氏の友人であるM氏らをアドバイザーとして企画と設計に着手された.

名前の検討会では様々な案が提案されたが、そのうち突然、前出M氏が「素直にブローニーフィルムのカメラだから、よってブロニカでは」と提案されたという.皆も賛同したが,そのとき善三郎氏が「業界に初参入するのだから、前座だ、頭にゼンザを付けたら」と発言、M氏は「これは良い、善三郎のカメラともとれる」となり決定したという、

善三郎氏の「理想のカメラを自らの手で自らのために作りたい」という情熱ゆえのことだろうか.実は最初の企画はミノックスタイプの小型カメラであったという、その理由が材料が少なくて済むということであったというから、戦後の厳しい時代を想起させる話である、

しかしあまりにも各部が小さいため断念したが、既に5月には,後に商品となったブロニカと同様の66判の一眼レフに企画が変更されたという、

このころ設計に参加できる人材を確保するため、新聞に「カメラ好きの方募集」なる広告が掲載され、設計陣が若干拡充された、

以後発売までの7年間、朝は8時から、夜中2時3時の帰宅は当たり前、休みは元旦のみで、日曜日は外部アドバイザーとの検討、その結果を次の日曜日までにまとめたり設計に反映したりする毎日であったという、

1953年には部分試作が開始された、ブロニカの特徴である、レンズに干渉しない降下式のミラーは善三郎氏の提案であり、1956年(昭和31年)6月 - 試作機第一号を完成させ「ブロニカカメラ株式会社」を設立した。

これが最初に着手された技術であるという、以後1958年まで試作機が多数制作された、

ブロニカのもう1つの特徴として、フィルムバックとボディの状態を一致させずともそれらの間を自由に切り離したり接続して良いことが挙げられる、

これはボディ内部に遊星歯車を持ち、これがシャッター・ミラーのスプリングチャージと、フィルムバックの巻き上げとの動力の分割を担っているためである、

この原理は、なんと自動車のディファレンシャルギアに着想を得たものだという、ある日自動車がぬかるみにはまり、スリップしているのを見て、ひらめいたというのだ、ちょうどエンジン側が右手による巻き上げ、左右の車輪がそれぞれボディとフィルムバックに相当するわけである、

そして、ENZA BRONICA S2が1965年に発売されました、発売価格93,500、 

今から数えると50年以上前..それでも使えるのは、さすが機械式カメラです、しかもボディが「18-8ステンレス鋼板磨仕上」という頑丈で、錆びにくいのです!

今じゃ考えられないくらい豪華なボディです、この形のカメラは、有名なのが「ハッセルブラッド」です、ハッセルの場合、シャッターチャージしないでSSを変えると壊れます、その点ブロニカは、ややこしい作法がありません、あっぱれなカメラです。!

  

参考 Camera  Graphic




ゼンザブロニカS2

ゼンザブロニカSQ-A

ゼンザブロニカEC

ゼンザブロニカETR

去る11月23日、吉野善三郎氏は、間も無く発売になろうというゼンザブロニカETRSiを枕辺に置いて、永遠に戻らぬ旅路についた。今は、おそらくあの世で撮影三昧に明暮れていることだろうか。

 吉野善三郎といっても、誰のことか分らない方もあるだろう。彼こそゼンザブロニカの生みの親、ブロニカの創始者なのである。ゼンザブロニカの由来は吉野善三郎氏の名前であった。

吉野善三郎氏はアマチュア・カメラマンからスタートし、絶えずアマチュア精神を持ち続けながら、あの個性的なゼンザブロニカカメラを創作し、ブロニカ株式会社を設立。カメラを使う立場から、'売る立場へと転進していった。

吉野善三郎氏は、明治44年、東京神田の小さな米屋の三男として生れた。
幼ない頃兄を失い、さまざまな喜怒哀楽の運命に出会いながら、懸命に家業に励んだ。生来から何事にも研究心が強く、昔から踏襲している商法にも、全く新しい検討を加えるなど、画期的な努力を重ね、昭和16年には店員120の大米穀商に築き上げた。彼の経営理念が社会を舞台に、はじめて効を奏したのであった。

この頃、吉野善三郎氏とカメラとの、かかわり合いがはじまったのである。
撮影することもさることながら、カメラのメカニズムに興味を持ち、世界の名機といわれるカメラは、その殆んどを手中に収め、30台に及んだ。それ等を操作しているうち、そのメカニズムの動きに魅了されていった。


ゼンザブロニカ67
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